Hi, there❗👋🐺
小学英語基礎コース「英語のエレメンタル」の講義レポート第4回をお届けします。
突然ですが、ここであなたに英語の問題です。ジャン!
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
You look tired.(あなたは疲れているように見えます)
It looks like a rabbit.(それはウサギのように見えます)
上の2つ例の通り、"look"には「見える」という意味があります。
これについて、子どもから以下の2つの質問が出ました。質問に対し、あなたが指導者ならどのように説明しますか。
【質問1】likeって「好き」って意味じゃないですか。なんで「好き」の意味が入らないのにlikeを使うんですか?
【質問2】どっちの文章も「ように見える」っていう意味では同じなのに、likeを使ったり使わなかったりするのはどうしてですか?
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
解答例は記事の後半で。
今回の講義のテーマは・・・
「第6講 単語の役割分担」
私は英語の指導を行うにあたって、「英語力は国語力である」という強い持論があります。
どういうことかというと、
◆外国語の伸びしろは母語の運用能力に大きく左右される。
◆国語の成績が悪い子は、英語も連動して成績が悪い。
◆母語の素地が十分に育っていない段階で、無理に外国語を詰め込むべきではない。
◆早期から英語を学ぶ場合、まず最低限の日本語文法の素養を身につけるべきである。
と考えているのです。「英語やる前に日本語は大丈夫なのかよ」と声を大にして言いたい。
本講座「英語のエレメンタル」は全4章で構成されています。
第1章💎「地のエレメンタル」
第2章💧「水のエレメンタル」
第3章🍃「風のエレメンタル」
第4章🔥「火のエレメンタル」――
このうち最初の「地のエレメンタル」の9回は、英語を学ぶための土台固めのための期間として位置づけています。その中には日本語文法の学習も含んでいます。この間、英単語を扱うことはあっても、「英文」は一切登場しません。英文を扱い始めるのは10回目以降です。それくらい土台固めが大切だと思っています。
今回の講義ではいったん英語から離れ、日本語の単語にフォーカスして研究する回でした。
▲ ふだん何気なく使っている日本語を分解し、意味や役割ごとに「名詞」「動詞」「形容詞」・・・などの品詞に分類していきます。
しかしまあ品詞の話って、中高生からはことごとく不評なんですよね。
💀「つまらない」
💀「ルールを覚えるのが面倒臭い」
💀「別に知らなくてもいいじゃん」
アッハッハ!気持ちはよ~く分かるぞ!
実は私も品詞や国文法の話をするときにはけっこう苦労しているのです。だってどう頑張っても、内容的に「つまらない」「面倒臭い」の印象を拭い去れないんだもん。ただ、教える立場になって初めて分かったことがあるのです。それは、
英語の組み立て方や表現のルールについて筋の通った説明をするには、品詞の知識が不可欠である。
品詞の知識があるからこそ、伝わる英語表現を理詰めで組み立てる力が身につく。
ということです。逆に品詞の知識を持たずに英語を学ぶということは、ルールを言語化できないということですから、勘や雰囲気に頼ったギャンブル性の高い英語学習へ迷い込むことを意味します。
ここで冒頭の、likeについての問答に戻ることにしましょう。
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You look tired.(あなたは疲れているように見えます)
It looks like a rabbit.(それはウサギのように見えます)
上の2つ例の通り、"look"には「見える」という意味があります。
これについて、子どもから以下の2つの質問が出ました。質問に対し、あなたが指導者ならどのように説明しますか。
【質問1】likeって「好き」って意味じゃないですか。なんで「好き」の意味が入らないのにlikeを使うんですか?
【質問2】どっちの文章も「ように見える」っていう意味では同じなのに、likeを使ったり使わなかったりするのはどうしてですか?
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品詞の知識があるかどうかで、上記の質問に対する答え方ががらりと変わってきます。
◆品詞の知識がある場合
【解答1】 likeには動詞と前置詞、2種類の使い方があります。動詞のlikeは「好む」という意味ですが、前置詞のlikeは名詞とセットで「~のように(な)」という意味のまとまりを作ります。
【解答2】 前置詞は必ず名詞と組み合わせる決まりです。lookの後に形容詞を続ける場合はlikeは要りません。名詞を続ける場合は、前置詞likeとセットで1つの意味のまとまりを作ります。
◆品詞の知識がない場合
【解答1】 likeには「好き」という意味もありますが、「~のような」という意味もあります。例文では「好き」と解釈すると日本語が変になりますし、「~のような」という意味を当てはめた方がしっくり意味が通りますよね。え?「それじゃあ『ウサギが好きに見える』」じゃダメなのかって?うーん💦そういう表現をしたいときにはまた別の英語があるんですよねぇ・・・とりあえず今はこれで覚えておきましょうね!
【解答2】 う~んこういう話は難しいので、こう考えましょうか。日本語にしたときに「の」が入るのが自然ならlikeを入れて、もし「の」を入れたら不自然に聞こえるならlikeはいりません。「それはウサギ『の』ように見える」っていう日本語は自然ですよね?こういう場合はlikeが入ります。逆に「あなたは疲れている『の』ように見えます」って言ったら不自然ですよね?こういう場合はlikeはいりません。そう!likeは日本語の「の」っていう文字と似たようなものだと覚えておくといいですね。え?「それはウサギに見えます」という日本語訳でも先生から⭕をもらったって?うーん💦確かに「の」が入らない文章でもlikeを使う場合もたまにはあると思いますが💦基本は「の」の有る無しで判断していいと思いますよ💦とにかくそういう風に覚えて!
・・・
ああもうワケが分からなくなってきました!品詞の知識がなければ、説明が感覚や雰囲気に頼るしかなく、それに共感や納得ができる一部の「センスある子」「察しのいい子」にしか伝わらないのです。また【解答2】のように、指導者が考案した真偽の怪しいデタラメな説明も飛び出しかねません。(「の」識別の説明は、私が今テキトーに考えたものです。悪しからず)
理論も理屈も与えられないまま、「見て覚えろ」「聞いて学べ」「やりながら慣れろ」だなんて、大昔の板前の弟子入りみたいなものだと思いませんか?そんな前時代的な教育を受けていたら、一人前になるまでに10年かかってしまいます。いや、きっと途中でモチベーションが力尽きるから、10年あっても英語なんて身につかないでしょう。
英語のしくみを筋道立てて理解し、短期間で自分のものにするための土台作りとして、品詞の話から逃げてはならないと思うのです。むしろ真正面から受け止めていかなければ。
今回のレポートはここまで。ここまでお読みいただき、ありがとうございました👋🐺
寺子屋リンクス 松村
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